遺産分割に応じない相続人がいる

遺言書が存在しない場合、遺産分割については相続人全員で話し合いの場（遺産分割協議）を持ち、全員の合意をもって正式に決めることとなります。

遺産分割に納得がいかず、相続放棄の意志も示さないという相続人も少なくありません。そうなると話し合いはいつまでもまとまりません。

生前から被相続人と同居し、通帳をまかされ、ご自身の生活費と混同していたりすると、自分が遺産分割を決める権利があると勘違いすることがあります。

相続の発生により、被相続人名義の家から追い出されることを心配し、協議に応じないことがあります。

相続が発生したことを銀行等が知ると被相続人の口座は凍結されますが、その前に特定の相続人が預金を引き出し、使用するケースがあります。

生前から被相続人の財産管理を任されている相続人は、被相続人の現金を普段から自由に引き出すことができるため、遺産分割協議を行う頃にはすでに使い込み、預貯金の残金がほとんどなかったという相談は多くあります。

使い込まれた財産を取り戻すには法的手続きを行う必要があり、回収には時間がかかるうえ、余計な費用もかかります。このような事態を回避するには、早い段階から専門家に相談すると良いでしょう。